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どんな世代でも楽しめる月9ドラマ的魅力をもつ作品

有川浩さんの作品は、等身大の登場人物が、感情をストレートに表現するとともに、とっても素直な気持ちをもった人たちが多い。読んでいるこちらも、物語の中にすんなり入っていけるので、有川さんは大好きな作家さんお一人。大抵の作品は読んでいたが、この図書館戦争シリーズは、パラっとページをめくったときの漢字の多さに圧倒され、いままで手をつけなかった作品。映画やアニメになって話題になった時でさえ手をつけなかった。

が、読み始めると、漢字の多さなどなんその。物語の世界に入りこみ、いつものように後半は一気読み。

この「図書館内乱」は図書館戦争シリーズの第二弾。2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになり、そこから話が始まる。

主人公は、身長が高いすらっとした活発な女の子。行動と気持ちが一緒になり、思ったことは素直に口にするし、頭で考えるより行動が先にたってしまう。そんな主人公に対し、思いの人「王子様」は、身長が主人公よりも低く、無骨で口下手だけど、優しい男性。まだ映画は見たことがないが、主人公(郁)演じる榮倉奈々さん、王子様(堂上篤)演じる岡田 准一さんは、マッチしすぎる(笑)。

全体を通して、月9ドラマになっても良いくらい、純粋なラブストーリーともラブコメディともいえる作品なんじゃないかな、と思う。登場人物同士のやりとりは、気持ちいいくらい、オブラートに言葉をつつむことがなく、ポンポンと進んでいく。会話のキャッチボールが本当に素直なのだ。小説を読みながらホロっと泣きたくなることはあっても、にまっとしてしまう作品は、最近なかったなぁと思う。

舞台は図書館、そこに働く20代の人たちが主人公だが、この本はどんな世代の方が読んでも楽しめる作品だと思う。

 

図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む郁は、中澤毬江という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さいころから面倒を見てもらっていた図書隊の教官・小牧に、密かな想いを寄せていた。そんな時、検閲機関である良化隊が、郁が勤務する図書館を襲撃、いわれのない罪で小牧を連行していく―かくして郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?書き下ろしも収録の本と恋のエンタテインメント第2弾。